先日は道新にテッラ・マードレの記事を書かせていただきました。いろいろな方からみたよ〜とか、読んだよ〜と反響をいただきました。ちゃんとかけたかどうかすごく気になる所で、私なんぞが報告してもいいのだろうかとか、迷いはあったものの、これもご縁をいただいたとおもいありがたく書かせていただきました。全容ではないのですが一番気になる所を書かせてもらいました。会長のカルロの言葉は温かくというか情熱的で深く、心に届きました。

カルロの講演は新聞の内容のほかにもキーワードをいただいたので、自分のためにもここで書き留めておきます。
*大地に足をつけて謙虚に
*共生産者であれ
*愛情豊かな知性が必要
*食に対して尊厳を持つこと
▲環境を破壊している食品生産の現場があることを知る
▲農業が工場化している
*食は愛であり、喜びである。この2つのファクターで人は生きている。
以上が聞き逃した所もあるかもしれませんが、講演からもらったキーワードです。
▲は、いままで気がつかなかった所で、聞いていて、あっ!と思た所。
あんまり眉をひそめると肩が凝っちゃうので、ここはスローに。
美味しく,楽しんでが信条ですね。
この日は他の分科会もあり、そちらもちょっとまとめておきます。
午前中は「味の箱船(アルカ)とテッラマードレ」と題した2年前までインターナショナル本部のの本担当官だった石田雅芳さんのセミナーを聞きました。

「お皿の上に載っている食べ物がどんな背景があるのか、考えてみよう。アルカは1つのチーズから始まりました。そのチーズがアルカができた背景をすべて物語っています。それは「ロッカべラーノ」というピエモンテ地方で作られる伝統的なチーズがあり、ピエモンテの人たちがとっても大好きなチーズだそうです。ある日、食べていると何か違った感じがあり、ロッカべラーノを作っている村に出かけたら、大きな工場が建っていて、ラベルだけは同じチーズを作っていたそうです。その上、ロッカべラーノはピエモンテに昔からいるピエモンテ牛の乳から作られるのチーズなのに、ピエモンテ牛もいなくなっていたそうです。ちなみにこのピエモンテ牛は大昔、中央アジアから山を越えてやってきた3種のうちの1種だそうです。その貴重な牛、そしてその乳から作るチーズ、チーズを作る村のおばぁちゃん(というか作り手)がいなくなっていた。それをどうにかしなければ、と立ち上がったのがスローフード協会だった訳です。
「幸せな牛のキャンペーン」を行い、ピエモンテ牛の保護(飼育方法含む)、職人の復活、伝統の味を守るということをした訳です。そのかいがあり、昔ながらのロッカベラーノが復活し、牛がいなくなってから中止していた大昔から続いていたお祭りも牛が再び来たことで復活したのです。このように食文化は地域社会の文化にも通じていること、また伝統的な牛の飼い方により環境も守られるということが起きるのです。このようなことがありアルカプロジェクトが始まったのです。」
と石田氏の話しは続くのですが、このチーズをめぐる一連の流れが世界中のどこにでも起こっていることだと、危機感ともに感じました。
この話しと後に聞くカルロの講演を聴いた後ででてきた私の感想はこうです。
「 スローフードの考え方は豊かな人生を考えるときに、また未来の子どもたちに残せるお金ではない豊かさを考えるときにおおいに役立つ。
想像してみてほしい。砂漠化した荒野の中にいる成長した自分の子どもたちが心豊かに暮らせるかどうか。できる事なら緑豊かな美しい場所で、穏やかに暮らしている子どもたちの方がお金はなくともずっと幸せではないか。大人ができる事は、危機感を持って、後者の環境を残す最大限の努力を惜しまない事なのかもしれない。」
午後からはえりも町の短角牛生産者の高橋祐之さんの「日本短角種を残す」とほんの数十分でしたが山形県庄内産の野菜を使う地元レストラン「アル・ケッチャーノ」の奥田シェフの話しを聞きました。


日本短角種は強いて言えば先の石田さんの話しにでてきたピエモンテ牛に似ています。今は岩手や山形、北海道などで飼育されているのみです。寒さに強く放牧で育ち自然繁殖しても子育ても上手という牛君たちです。牛肉輸入化にともない黒毛和牛などの高価な肉牛に変わって行き、どんどん少なくなって行きました。短角の肉質は赤身で和牛に比べるとカロリーは3分の2ほどで部位によっては3分の1にもなる所もあり、また高タンパクで様々な栄養素があり、最近見直されてきているということです。高橋さんもまわりがどんどん黒毛との交配をし、少しでも高い肉牛をつくっているときに純粋種のままだったので、まわりからは変わり者と言われたこともあったとか。いろいろ悩む中で無理を承知で建てた「ファームイン守人(マブリット)」(マブリットは東北弁のべごまもり=牛(べこ)を守り育てる人のことから)もいまでは予約を取るのが難しい日もあるという。
写真はないのですが、アル・ケッチャーノの奥田シェフの話しも途中からでしたが面白かったです。
アル・ケッチャーノには生産者が自分の生産に見合った好きな値段をつけて卸すそうです。その値段は普段の生活で使うには高すぎる値段なのだけど、それを使えるのがレストランだし、いい物を生産している生産者が生活できない値段でしか卸すことができない現実が,どこか歪んでいる。そのいい物を適正価格で引き取ってレストランはそれを調理して美味しくすることでお皿の値段も自由に決めることができる。それがレストランのできることだと話していました。全部聞いた人たちによるとかなり面白かったようですが最後だけでも面白かった。魅力的なシェフでした。いつかご飯を食べに行きたい。と思ってしまいました。
そんないい話し一日で盛りだくさんに聞いた私は、地域の良いもの、地域の残したいものを見定めて、あくまでも謙虚に寄り添って行きたいなとつくづく思った日でした。